
ベルギーの24時間レースから早1ヶ月。チームは拠点をフランスに移し、足早に準備を進めていた。メインスポンサーにも注目され始め、ル・マンからが本番と感じていたチームは、LMP1とGTEの2台で伝統の地ル・マンに足を踏み入れた。
今回使用する車両 Audi R18はSTRとDSRから計4名でドライブすることとなった。結果、予選ポールの#1のゼッケンをまとったAudi R18は事故に2回巻き込まれ、あと一歩2位でフランスを去った。
スタートはエナ爺が担当し、PorscheのEVパワーに圧倒されながらも2位で1週目を無事に終える。
この時点でAudiユーザーは我々1チーム、Porscheユーザーは11チームと、コンストラクターでは不利な状況の中、Audi代表としての意識が芽生えていた。またペースは良かったがPorsche 919との2MJの差では決定打が無く、堅実な走りを強いられた。
ストレートスピードのPorsche 919, コーナリングと安定性のAudi R18の図式が既に誕生していた。
ピットストップの時間差により、我々Audiが前に立つときもあれば逆もあり、余談を許さない状況が続いた。
スタートして4時間、1位のPorscheにトラブルがあり2位と1分差がついていた頃、最初の事件が起こった。

「He Pushed me off the track!!」
ダンロップ後の右コーナーからLMP2を抜く際、既にインサイドに我々Audiが入っているにも関わらず、インに寄ってきたのである
現場検証ではタイヤ1つ分以上空いている事がわかったが、ラグにより接触、左リアに軽微なダメージを負う。
LMP1はそのハイパワーさ故にリアがセンシティブであり、このダメージによりシケインでクラッシュ。ピットへ帰還する事となった。
1位になったチームに次々と襲いかかる悪魔。4チームがトップを入れ替えながら共有するが、その全てが1位の時にクラッシュに巻き込まれている。
再び我々がトップに戻ってきた時には、#5の新入社員のお陰もあり、約1Lap差をつけることに成功した。
しかし、新入社員は#5だけでなく、#40にも存在していた事を我々はまだ知らなかった。。。
あっーーっと接触ーーーー!
スク水ーーーーーーーーーーーー!
頭を抱えたーーーーーー!
カーティングコーナーでクラッシュしたPorsche 911。復帰しようとコースを横断する時、Audiはそこにいた。
なんとかグラベルに避け、接触そのものは避けることができたが、コース復帰する際の段差によってマシンはジャンプ。制御する時間もなく壁に前突してしまう。
これにより後方との1Lap差は2Lapダウンとなってしまった。
しーなありさ爆発

チームに静寂が訪れ6時間。 #5のPorsche 919がトップでチェッカーを迎え、Audiは2位でチェッカーを受けるがそこに笑顔はなかった。
フランスに足を踏み入れてからここまで、全てが順調と思われた矢先、残り6時間でル・マンが牙を向いた。最後まで何が起こるかわからないのが耐久レース。過程はどうあれ、一番最初にチェッカーを受けたチーム・ドライバーが勝者であり2位は敗者なのである。
久々に強いチームとして参加できたル・マンだが、得られたものは大きかった。最後まで諦めず、ひたむきに努力してきたドライバーの目には、もう既に次のレースが映っている。
~~終わりに~~
この度、iRacing 24 Hours of LeMansに出場するにあたり、下記の特別賞をチーム・ドライバーとして受賞しました。
今回から?始まったこの集計でいきなり日本人が多く名前を連ねることができて嬉しく思っています。
・Paint of the Week August 17, 2018 --1週間の中で最も素晴らしいペイントを公開した
Because the Audi R18 template is only slightly less complex than the Saturn V rocket, we haven't ever featured it on Paint of the Week. Until now! This Renault 95 throwback by Kazuhiro Oida is very sharp. You can race it here: https://t.co/bYo5XDKeAS #tppotw pic.twitter.com/AzYnJmoBCJ
— Trading Paints (@tradingpaints) 2018年8月17日
・CLEANEST DRIVER LMP1 Class 1st --LeMans 24hのLMP1クラスの中で、最もIncident(事故など)の少ないドライバー

・CLEANEST TEAM LMP1 Class 5th --LeMans 24hのLMP1クラスの中で、最もIncident(事故など)の少ないチーム

Crew Comment -LMP1 DRIVERS-
Shanghai Tamon Racing

りさ~ん, #1 driver:
「とてもタフなレースだった。色々な事が起こってとても大変だったよ(笑)結果的に僕達は2位だったけど、優勝に値するぐらいのパフォーマンスは証明できたんじゃないかな( ˘ω˘ )?僕達4人とも素晴らしい走りをしていたがどうやら勝利の女神は微笑んではくれなかったみたいだね。残り6時間でクラッシュに巻き込まれた時はとてもショックだった。ここまで積み上げて来たものが一瞬にして粉々になってしまったからね。凄く辛かったよ(苦笑)追い上げようと思ったけど、途中でエンジンのトラブルに気づいたんだ。それからは、とにかく最後まで走りきる事に切り替えた。それが結果的によかったよ!チェッカーを受けてからすぐエンジンブローしてしまったからね。マシン的にも限界の戦いをさせてしまい申し訳ないと思ったし、よく頑張ってくれたという気持ちでいっぱいだ。ポジティブな要素ももちろんあった。タイヤを3スティント無交換でいけた事は何よりポジティブな要素の一つだ。ペースも僕達が1番速かった。後一歩のところで勝てなかったのはとても悔しかった。それは僕だけではなくチーム全員がそうだと思う。だから来年はもっと強くなって帰ってくるよ!」

スク, #1 driver:
「今回のレースではAudiはPorscheに対して厳しいレースになることが予想されていた。しかし我々にはAudiを乗ってきたノウハウと素晴らしいチームがある。それらを活用すれば勝てる、ル・マンで最も早くゴールする事ができると考え準備してきた。車の状態は非常に良く、ペースやセッティング、見た目、戦略どれを取ってもコース上で我々が最も優れていたと自負している。だからこそ、残り6時間のクラッシュでは非常に落胆した。勿論相手に対しても、私自身に対しても。しかし、AudiとしてここまでPorscheを苦しめる事ができたチームは我々を除いて他にはいないはずだ。チームの作り上げてきた物が一瞬にして崩れる瞬間を目の当たりにするのはこれで最後にしたい。
最後に、今回協力していただいたDSRの皆さんには感謝の意を表したい。」
Dream Spirits Racing

K, #1 driver:
「レースお疲れ様でした。今回久しぶりの耐久レースだったんですがいろいろあって少ししか練習できず、いつも以上に緊張してました。そのせいで自分の担当スティントでは危ないシーンがいくつかあってチームメイトに怖い思いをさせるようなことがありましたが、マシンバランスが良く安定して周回することができたのでなんとかマシンを壊すことなくバトンを繋ぐことができたので良かったです。いろいろありましたが2位で"完走"できて良かったです。」

エナ爺, #1 driver:
「まず、今回このShanghai HiMA RACiNG の一員としてルマン24時間レースに参加できたことをとても嬉しく思ってます。
惜しくもポールトゥーウィンという結果には終わらなかったけどこのメンバーで表彰台に乗れてとても幸せだ。
次は敵としてコース上でバトルしよう」
24h of LeMans classification @split1
Qualifying Result
1st:#1 Shanghai Pannya Racing
2nd:#5 TrackSculptures.com
3rd:#15 LATIN RACING SPORT 2
Race Result
1st:#5 TrackSculptures.com
2nd:#1 Shanghai Pannya Racing
3rd:#020 No Nonsense Racing Lyra
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