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Clean and clean drivingで勝ち獲った8位

Daytona, Nurburgring, LeMansに続いて今年最後の24時間レースとなるSpaにコースインしたSTRの一同。LeMans24時間から3週間しか猶予がなく、フランスからベルギーへのフライトが想定より遅れてしまった。またCOVIDの影響でアメリカからの輸入が禁止となり、当初予定していたFord GT GT3をベルギーに持ち込むことができなかった。

このため、レース前に急遽型落ちのBMWを購入し、スパに乗り込むことになった。

 

スパ24時間は毎年多数のクラッシュがあり、自他共にクラッシュをしないことが順位を上げる最も簡単な方法である。スパ24時間で最高位を獲得した2018年も、オールージュでフロントを大破させてしまい、チャンスを失ってしまった。

 

 

過去の教訓を活かし、事故やトラックオフをいかに少なくするか、今年はこれを最優先事項としセッティングや走行練習を重ねた。

これは。今年の24時間レースでシングルフィニッシュを継続している中、いい流れで2020年を終える為でもあった。

 

 

そして迎えた予選。BMW Z4の持ちうる力を全て出したつもりだったが、結果もむなしく33番手。予選を走ったスクは、決してペースが早くないことはレース前のプラクティスでも承知していた事だったが、ここまでとは思っていなかったと心中を語る。

 

 

昨年はレーススタート初期でビッグワンが各所で起きていた事を全員が記憶していたこともあり、今回は安全策を取りピットスタートを選択した。

 

周りの混乱に乗じて順位を上げる作戦だったが、今回のインシデントリミットが100に設定されていたこともあり、目立った大きなクラッシュもなく最初の2スティントを終えることになる。こうなると順位は自力で上げるしかなく、ひたすらに前を追いながらレースを続ける。

Smoooth operatoooooorrrr...

STRの武器は速さよりも安定感、そしてレース強さである。

 

予選は33番手であったが、ペースそのものは恐らく20位以内だっただろう。後方の集団に1周数秒づつ追いつき、確実に1台づつクリアしていく。ただそれだけに集中し、気がつけば夜のセッションになっていた。

 

夜になり周りの車が徐々に体制を乱し始め、BMWとSTRの安定感が順位を少しづつ上げる。スタートは50位だったが、着々と順位を上げ、ハーフウェイを迎える頃には20位まで戻ってきた。


No more Incident

耐久レース、特に24時間レースではマシンを無事に24時間走りきらせる事が最も重要だ。

 

特にスパではマシンダメージによる2次影響が大きく出やすく、ラップタイムへの寄与度も極めて大きい。皆が次のドライバーに無事でバトンを渡すべく他車との接触は勿論、オフトラックにも厳重に注意をはらい走行を続ける。

 

12時間経過時点で、Incidentはわずか10程度だった。各人の注意もそうだが、マシンが非常に安定してタイムを刻めている事も要因の一部だろう。


レース開始から12時間経過し、バトンはスク・Kコンビからクルガヤ・りさ~んコンビへと渡される。

マシンに外傷がない状態でのバトンパスも珍しくなくなった今年、ライバルたちがトラブルを抱え始める夜明けに向けて、さらなる猛追を行う。スパの長い夜が明ける頃には12位まで復帰し、シングルフィニッシュがようやく見えてくる。

 

夜が明けてからは気温も上がり、各車のペースが膠着状態となり追い上げが少し難しくなる。路面温度が上がりグリップレベルが低くなり、夜間とは違ったマシンバランスに苦戦するライバル達を見ながらも、STRとBMWはそのペースをほぼ変えないまま周回を続ける。

今回、一発のペースがライバル達に劣っていたことは予選からも明白だった為、ペースそのものよりもその安定感でずっと順位を上げてきた。これはスタートから20時間、21時間経過しても変わらず、最後までこの意思を通し続け8番手でフィニッシュする。

 

2年前とは全く異なる形で得たシングルフィニッシュ。そして2020年の24時間レース全てのシングルフィニッシュ。

 

ようやく歯車が噛み合い始めた所で今年の24時間レースを終えることになる。来年は勝つ為に、もっと安定し、もっと速いペースで周回することが求められるが、きっとできるだろう。昨年の状態では恐らく失笑されていただろうが、今は苦笑されない、むしろできるだろうと感じさせる事ができると自信を持って今年を終える。

・CLEANEST TEAMS  1st  --  最もIncident(事故やオフトラック等)の少ないチーム

Crew Comment


Shanghai Tamon Racing

りさ~ん, #11 driver:

「チームとしてはとても素晴らしい結果だったと思う。僕としては、車にドライビングを合わせるのにとても苦労してしまったね。普段は上手く適応出来るのだけれど、今回は週末を通してあまり上手くいかなかったんだ。ペースも一発のタイムも全然速くなかったしね。まぁ今後為にも原因を調べて改善しなければいけない事は確かだね。

余談ではあるけれど、僕はチームから「フォード」が納車されるって聞いていたんだ。ワクワクしながらファクトリーに行ったら「BMW」だったんだ……

ってなったよね……」


クルガヤ, #11 driver:

「ここは事故が起こりやすいのでピットレーンからのスタートになりました。ですが思ったほど事故がなく皆さんが綺麗なスタートでした。でも24時間あるので自分たちのペースで徐々に前との差を詰めていきました。自分の番になったけどマシンも無傷で楽しく自分のスティントをこなせて良かったです。そして最終的には何事もなく見事8位フィニッシュでマシンを持ち帰る事が出来ました。(^◇^)密かに思っていた24時間耐久レースすべてシングルフィニッシュできた事は本当にすごい事だと思いました。来年もよろしくお願いします(^◇^)」


K, #11 driver:

「練習の時からイマイチ走りのリズムが取れなくて不安いっぱいのまま本番を迎えたので正直壁とお友達になるだろうと思っていました。本番になってもリズムを変えられず夜スティントはコーナーが思ったより見えてなくて手アンダー連発してオールージュで何度冷や汗をかいたか分かりませんがそれくらいヤバかったです。ピットインラップに接触回避で避けたら戻れなくなってタイムロスしたりと散々な思いをしていました。ただ、ここからガラッと変わって徐々に感覚を掴めて明るい時間帯は自分の中でそれなりに良いペースで走れたので良かったです。」


スク, #11 driver:

「こんな結果を得られるなんて予想もしていなかった。決して良い意味でだ。今日はチームも私もやれることを完璧に全てこなしたと思う。レース内容にはとても満足しているし、8位の結果にもだ。訪れたチャンス全てを活かしここまでやってこれた。今回はアグレッシブというよりもセンシティブにマシンを操作し、ひたすらにマシンとタイヤを労った。その結果がこのMOST CLEANEST TEAMだ。本当に嬉しく思う。24時間レースが終わってしまうのは悲しいが、今年得られた事を活かして来年はより速く、より安定して上位を狙いたいね。」


Spa 24H classification @split9


Qualifying Result

Pos Team Car Best Lap Gap
1st Coffin Racing Ferrari 488 GT3 2:16.751  
2nd Endurance Team Chile BMW Z4 GT3 2:17.017 +0.265
3rd Autobahn - The Warmup Lap - Blue Ferrari 488 GT3  2:17.112 +0.361
33th Shanghai Tamon Racing BMW Z4 GT3 2:18.285 +1.534 

Race Result

Pos Team Car Gap Laps
1st Endurance Team Chile BMW Z4 GT3   600
2nd VRA RACING BMW Z4 GT3 +19.089 600
3rd Pajacerka Racing Ferrari 488 GT3 +1:06.056 600
8th Shanghai Tamon Racing BMW Z4 GT3 -5 Laps 595

Spa24h Lap Chart

下記は各ドライバーのラップチャート及びラップタイムの安定度を示したものである。

青枠は一人ずつ最も安定したスティントを抜粋したものであり、右の青数字はスティントのラップ上下の幅を示す。

また、Incidentを受けたラップは赤色でバツ印を追記している。